横縞(じま)より縦縞、絵画的模様より幾何学的模様が「いき」である―。哲学者九鬼(くき)周造が代表作「『いき』の構造」の草稿を書いたのは、ヨーロッパ留学中のことだった ▼西洋文化をつぶさに検証し、「いき」を日本特有の美意識だと結論付けた九鬼。日本哲学研究者の藤田正勝さんは九鬼の思索について「西洋の文化をまのあたりにし、その強烈な反射光のなかで日本文化の独自性を描きだすという試み」だったと指摘する...
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