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車いすバスケ石川ら5競技に6人、期待の福島県勢 パリ・パラリンピック

08/26 09:25

パラリンピックに初出場する石川選手。「コートでもベンチでも自分の役割を果たしたい」と意気込む(本人提供)
スクラッチから代表選出された土田(左)と大津(スクラッチ提供)
本県関係の選手

 パリ・パラリンピックは28日の開幕が目前に迫った。福島県からは5競技に6選手が出場予定で、選手らは「表彰台を目指す」などと意気込みを示す。コーチなどスタッフとして選手の活躍を支える関係者もいる。世界中のパラアスリートが集う大舞台での県勢の活躍に期待が膨らむ。

 古里を思い「勝つ」

 「勝ちたい気持ちが高まってきている」。女子車いすバスケットボールに初めて出場する東京・三鷹市役所職員石川優衣(27)=郡山市生まれ=は高揚感を漂わせる。毎年訪れている福島を「大好きな場所」といい、古里への思いも胸に大会に向かう。

 母の実家の郡山市で生まれ、三鷹市で育った。中学生の時に脊髄炎を発症、車いす生活となった。大学に進学した際に現在所属する関東の女子チームと出合い、本格的に競技を開始。2019年には25歳以下の日本代表に選出され、国際大会に挑んだ。チームは4位の成績を収めたが、石川は「何もできなかった」と悔しい思いをした。闘志に火が付くと、レベルアップのため都内の男子チームに加入、プレーの幅を広げた。

 今年に入り、またも試練が訪れた。パラリンピックのアジア・オセアニア予選の日本代表に選ばれたが、けがの影響で出場できなかった。「パリは難しいかもしれない」。失意に暮れた。

 2月に開かれた別の国際大会で復帰後、トレーナーと二人三脚でトレーニングを重ね、筋力の強化で守備に磨きをかけた。「けがの前以上の動きになった」と手応えをつかむと、悲願だったパラ代表メンバーにも選ばれた。「コートでもベンチでも自分の役割を果たしたい。後悔はしたくない」と語る。

 年末年始や長期休暇には、郡山市の祖母長谷川由美子さんの家を訪れ、夏には花火大会を家族で楽しんでいる。「福島は思い入れのある場所。応援してもらえればうれしい」と呼びかけている。

 「福島の応援糧に頑張る」

 女子車いすバスケットボール日本代表には、本県や茨城県などを拠点に活動するチーム「SCRATCH(スクラッチ)」から大津美穂(33)と土田真由美(47)も選出されている。2人は「メダルを目標に頑張りたい」と声を合わせる。

 新型コロナウイルス禍以前は郡山市やいわき市などで練習することも多く、「福島の皆さんの応援も糧に頑張りたい」と話す2人。大津は「今までの思いを全部ぶつける。後悔のない大会にしたい」と闘志を燃やし、土田は「視野を広く持ちチームプレーを心がけたい」と語った。

 県勢6人出場、活躍期待

 県勢は石川のほか、車いすラグビーに橋本勝也(22)=日興アセットマネジメント、三春町出身=が東京大会に続き、代表入りしている。銅メダルとなった東京超えの金メダルを目指す。

 陸上では女子400メートル(視覚障害T13)に佐々木真菜(26)=東邦銀行、福島市出身、女子砲丸投げ(上肢障害F46)に斎藤由希子(31)=SMBC日興証券、福島市在住=が出場。斎藤はパラリンピック初出場となるが、今年5月の世界選手権で銅メダルを獲得しており、メダルへの期待も高まる。佐々木は2大会連続出場だ。

 ボッチャで初出場となる女子脳性まひBC1クラスの遠藤裕美(38)=県ボッチャ協会、福島市出身=は個人戦と団体戦に出場。メダルも期待される。

 柔道女子48キロ級(全盲)の半谷静香(36)=トヨタループス、いわき市出身=は4大会連続の出場だ。悲願のメダル獲得を目標に掲げる。

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