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大吟醸適した「酒米」開発へ 福島県着手、27年度登録申請目指す

08/27 09:20

酒米の生育状況を確認する参加者

 県は2027年度の品種登録申請に向け、大吟醸酒に適した新たな県オリジナル酒米の開発に乗り出した。本年度、県酒造協同組合や県でつくる「県オリジナル酒米新品種開発プロジェクトチーム」を発足。県内の多くの酒蔵が使用する県外産の山田錦に代わる酒米を生み出し、県産にこだわった「オール福島」の酒造りを実現させたい考えだ。

 県内では、県オリジナル酒米として2000年に「夢の香(かおり)」、19年に「福乃香(ふくのか)」が誕生。県によると、両品種は粒の中にある「心白(しんぱく)」と呼ばれる白く濁ったでんぷんの塊が大きく、40~50%の精米が必要な大吟醸酒では割れてしまう可能性があるという。そのため、県は山田錦に代わる大吟醸酒向けの酒米を開発し、置き換えを進める方針だ。

 プロジェクトは26年度までの3年間。本年度は、県農業総合センターのほ場で栽培している大吟醸酒向けの有望系統3種類を今秋に収穫、県ハイテクプラザ会津若松技術支援センターで醸造試験に入る。来年3月には出来上がった大吟醸酒の酒質や精米の特性、水への溶けやすさを確認。来年度は県内の農家で実際に栽培し、酒蔵での醸造を試みる計画で、参加者の意見を踏まえながら大吟醸酒に適した酒米を選抜していく。

 県は26日、郡山市の県農業総合センターでプロジェクトチームの中間検討会を開いた。県酒造組合の鈴木賢二特別顧問(62)は「山田錦に代わるオール県産の日本酒で、全国新酒鑑評会での金賞受賞を目指したい」と意欲を見せた。

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