• X
  • facebook
  • line

西郷盛り土、福島県が初の行政代執行開始 改善命令の男性1人は病死

08/29 07:30

県内初の盛り土規制法に基づく行政代執行が始まった現場=28日午前、西郷村

 西郷村の私有地に盛り土が造成された問題を巡り、県は28日、大雨によって周辺住宅や道路に土砂が流出し、人的被害が出る恐れがあるとして、安全対策工事を行う行政代執行を開始した。盛り土規制法に基づく代執行は県内で初めて。

 また、県が6月27日付で盛り土を造成したとして改善命令を出した埼玉県の男性2人のうち1人が、県が命令を出した後に死亡していたことが28日、複数の関係者への取材で分かった。病死とみられる。県は、2人について盛り土規制法違反の疑いで刑事告発する準備を進めている。

 工事初日の28日午前10時、県南建設事務所の手塚孝良所長が「行政代執行を開始する」と宣言。雨が降りしきる中、施工業者のショベルカーが造成された盛り土の敷地内に入り、土砂を削り取った。土砂は大型トラックに積まれ、県内の処分場に運ばれた。県都市計画課の桜沢一朝副課長は「地域の安全が確保されるよう、工事を進めたい」と話した。

 県はこれまでに2人に対して改善命令を出し、7月25日までの工事計画書の提出を求めていたが、期限を過ぎても提出されなかったため、代執行に踏み切った。県によると工事では、4万1千立方メートルの土砂の約4割を撤去し、最高22メートルある高さを15メートルほどまで低くする。最高48度ある勾配は30度まで緩やかにし、緑化工事も行うことで土砂崩落を防ぐ。工期は来年3月19日まで。今月5日付で工事費2億5500万円の一般会計補正予算を専決処分した。工事費用は男性らに請求する予定。

この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line