石川啄木が「ふるさとの訛(なまり)なつかし 停車場の人ごみの中に そを聴きにゆく」と詠んだように、方言には温かい響きがあるように思っていた。しかし、真船豊の戯曲「鼬(いたち)」を読むと方言に対する印象が一変する。登場人物が使う方言がとにかく激しく、荒いのだ。相手を強くののしる言葉のオンパレードに圧倒される。 会話全て方言 物語の舞台は「東北地方、鉄道から五六里離れた、ある旧街道に沿うた村」と原...
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