バレーボールSVリーグ女子のデンソーエアリービーズは26日、ホームの福島トヨタクラウンアリーナでPFUブルーキャッツ石川かほくを3―1で下し、開幕5連勝を果たした。順位は14チーム中で首位を維持。デンソーは次戦の27日も同会場でPFUと対戦する。午後1時5分開始予定。
【評】デンソーが高さを生かした相手守備を多彩な攻撃で攻略し、勝利をたぐり寄せた。第1、2セットはともにレフトに偏った攻撃を見切られ、一進一退の攻防で1セットずつ分け合った。転機は第3セット。ボールを散らして相手を揺さぶると、ロザマリアや石倉を中心に攻撃陣が奮起。14―14から8連続得点を奪って試合の主導権を握り、勢いのままに第4セットも突き放した。(小野原裕一)
試合の中で攻撃修正
デンソーが序盤の一進一退の攻防をしのいで中盤の攻勢で突き放し、開幕から無傷の5連勝を成し遂げた。「選手たちが試合中の短い間に見せた修正力が大きい」。辻健志監督も選手の成長を色濃く感じた一戦だった。
序盤は攻撃の手を封じられた。「レフト頼りで自分たちで苦しくしてしまった」(川畑遥奈主将)。左に偏った攻撃を読まれ、思うように得点を重ねられなかった。
勝敗の分岐点は第3セットだ。「崩し方を工夫すれば余裕のある展開に持ち込める」と、アウトサイドヒッター(OH)のモンチベレル・ロザマリアは冷静に分析。サーブでの崩しに加え、相手の高さを生かした守備の隙を突くようなトスや多彩な攻めを徹底するよう選手間で共有した。攻撃陣のスパイクが決まり始め8連続得点を奪うと、勢いそのままに勝利した。
試合を経るごとに、他チームから研究され対策を練られる。指揮官が求めるのは、選手たちが相手の予測を上回るプレーを示し勝利をつかみ取ることだ。辻監督は「相手のやろうとすることを封じ、積極的に流れやリズムを引き寄せることが鍵」と語る。
攻撃の手を模索し、勝機をたぐり寄せた選手たち。OHの石倉沙姫は「長いリーグ戦。挑戦者の精神で戦うことに変わりはない」ときっぱり。
一戦必勝の姿勢もチームの強さの秘訣(ひけつ)となる。
(小野原裕一)