バレーボールSVリーグ女子、首位のデンソーエアリービーズは9日、ホームの円谷幸吉メモリアルアリーナでヴィクトリーナ姫路を3―1で破り、開幕からの連勝を9に伸ばした。デンソーは次戦の10日も同会場で姫路と対戦する。午後1時5分開始予定。
【評】中盤に守備を修正し、勢いを取り戻したデンソーが首位の貫禄を示した。デンソーは1セット目を奪った後の第2セット、相手アウトサイドヒッターを中心とした攻撃に苦しみ、落とした。第3セット以降はローテーションを変えるなどして守備を安定させ、山下やアマンダ、ロザマリアの得点により連続でセットを奪った。(津村謡)
跳んだアマンダ18点
羽を得たかのような高い跳躍で9連勝の原動力となった。デンソーのアウトサイドヒッター(OH)コネオ・アマンダは、高い打点からのアタックで18得点を記録。辻健志監督は「今季で一番良いジャンプだった」と殊勲のアタッカーをたたえた。
8点差で第1セットを奪ったデンソー。しかし、指揮官が最近の課題として挙げる「良いセットの後に流れをつかみ切れない」という事態がこの日も起こった。姫路は第2セット、ローテーションをずらすことで自軍のアタッカーが対峙(たいじ)するブロッカーを変え、得点を取りやすい布陣とした。選手同士のマッチアップに苦しんだデンソーは開始から9連続失点し、その後も日本代表のOH宮部藍梨にスパイクを決められるなどして、セットを落とした。
相手の戦術に対抗すべく、デンソーも第3セット以降、ローテーションを変更。相手の攻撃を抑えられる布陣とすると、ボールがつながり始めた。アマンダもスパイクジャンプがぴたりとはまり、強烈なアタックを次々と繰り出すことで相手に主導権を譲らなかった。
10連勝の大台が懸かる次戦。アマンダは「今日と同じミスをしたら勝てない。しっかり修正したい」と勝利への覚悟を示した。 (津村謡)
山下、レシーブ仕事人
デンソーのOH山下晴奈は劣勢の第2セット途中から出場し、レシーブで相手の決定打を拾うなど守備で貢献。「パスを返して展開をつくるのが役割。1点をどう取るか考えてコートに立った」と語った。
高い守備能力を生かし、サーブレシーブの成功数はこの試合チーム2番目の7本を記録。辻健志監督は途中出場で見せる質の高いプレーを「必殺仕事人」と例え、称賛した。山下は「次戦も相手は得意なサーブから攻めてくるはずだ。集中して守り、攻撃につなげたい」と気を引き締めた。