バレーボールSVリーグ女子のデンソーエアリービーズは10日、ホームの円谷幸吉メモリアルアリーナでヴィクトリーナ姫路に2―3で敗れ、開幕戦からの連勝は9で止まった。通算成績は9勝1敗で首位を維持した。ホーム観客動員数が初めて千人を超えた。デンソーは次戦の16日、アウェーのCNAアリーナ★あきた(秋田市)でAstemoリヴァーレ茨城と対戦する。午後1時5分開始予定。
【評】デンソーが相手の粘り強い守備に苦しみ、競り負けた。序盤から一進一退の攻防を繰り広げ第1セットは2点差で先取。第2セットを落としたものの、第3セットは瀬戸のアタックで流れをつかみ、振り切った。しかし、自軍のアタッカーを効果的な守備で抑えられ、攻撃でも後手に回る展開となった。第4、第5セットを連続で落とし、力尽きた。(高橋由佳)
フルセット及ばず
開幕10連勝が懸かった一戦を勝利で飾ることはできなかった。デンソーはフルセットにもつれ込む激闘を落とし、今季初黒星。「連勝とは関係なく、攻守ともに相手のペースにのまれてしまった。苦しい試合だった」。主将の川畑遥奈は悔しさをにじませた。
前日の試合を経て対策を打ってきた相手の戦術に、攻撃を阻まれた。ブロックにスパイクのコースを限定され、次々とボールを拾われた。サーブで崩され、効果的な連係につなげられない。相手にペースを握られ、最後まで立て直すことができなかった。前日にアタックの決定率5割を誇った主砲のアウトサイドヒッター(OH)モンチベレル・ロザマリアは、この日は決定率が36%にとどまった。
課題も多い試合だったが、落としたセットはいずれも僅差で、粘りのバレーを展開したことは収穫となった。辻健志監督は「あの緊張感で粘り強く戦った。負けは足りないものに気付くチャンス」と選手の奮闘を前向きに捉えた。
指揮官は「次は良い形で勝利できるよう、全員で準備する」と言葉を続ける。敗戦はしたものの、首位を走るチーム。経験を糧にさらなる力を身に付けて次戦に挑む。(高橋由佳)