コメの価格高騰が、ふるさと納税の返礼品にも影響を与えている。「返礼品は寄付額の30%以下」という国の基準がある中、「湯川米」が人気の湯川村は、調達価格が高騰して返礼品の基準を超えるため、寄付の受け付けを休止した。他自治体も、コメの返礼品に対する寄付額を増額するなど対応に当たっている。
湯川村は1万4000円の寄付に対する返礼品としてコメ10キロを設定。しかし、コメの価格が上がったことで仕入れ値と返礼品の数量の調整が難しくなり、寄付の受け付けを中止せざるを得なかったという。
村は寄付を申し込んだ人に対し、返礼品の数量を少なくするか、寄付額を全額返金するかを選択してもらっている。寄付額を増額することもできたが、村担当者は「さらなる寄付を求めるのは本意ではなかった」と語る。
村は寄付者に陳謝するとともに「二度とこのようなことがないように再発防止に努め、信頼回復に全力で取り組む」としている。
一方、いわき市や福島市、田村市、二本松市などはコメの価格高騰に伴い寄付額を増額した。このうち、いわき市は8月末ごろに受け付けを停止し、米価の値上がり分などを寄付額に上乗せした上で順次受け付けを再開した。例えば同市産のコシヒカリ10キロは、改定前は寄付額1万5000円以上で受け付けていたが、2万3000円以上からの寄付に見直した。
福島市は毎年寄付金の見直しを行っており、年度途中に仕入れ値が変わった場合も、その都度調整を行っているとしている。