焼き鳥チェーン大手「鳥貴族」が地方出店を加速させている。東京や名古屋、大阪の大都市圏で集中的に展開する戦略を進めてきたが、近年は飽和状態に。新規開拓にかじを切り、2022年秋以降、宮城県や福岡県など9道県に初進出した。競合店がひしめく地域も売り上げ好調という。近年650店程度で横ばいの国内店舗数は、30年に千店を目指す構想だ。
鳥貴族は国産鶏肉を使い、たれや鮮度にこだわった焼き鳥をはじめ、唐揚げやご飯ものなど370円の均一メニューを提供する。運営するエターナルホスピタリティグループ社長の大倉忠司氏が1985年、大阪府東大阪市に1号店を開いた。
2005年に東京進出。拡大を加速し、18年のピーク時には679店舗に達した。24年6月末時点で24都道府県の644店舗が営業する。
新型コロナウイルス禍で落ち込んだ業績は、居酒屋需要の回復に伴い好転した。24年7月期の連結業績予想は売上高が410億円、純利益が17億円で、いずれも過去最高を見込んでいる。