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立憲民主、全区擁立に自信 福島県内の政治情勢

08/27 08:30

立憲民主党福島1区総支部の会合で、政権交代への決意を語る岡田幹事長=24日、福島市

 「次の衆院選で将来の政治が変わる。そろそろ立憲民主党に政権を任せてもらいたい」。福島市で24日に開かれた会合で、立民の岡田克也幹事長は新福島1区からの立候補を予定する現職の金子恵美議員(旧福島1区)らを前に力強く語った。会津から県北にまで足を延ばし、県連関係者や支持団体と会合を重ねた岡田氏。次期衆院選県内選挙区で野党側の軸となる立民も選挙戦に向けた動きを加速させている。

 衆院福島4区「自民より先に」

 最大の懸念となっているのが自民同様、福島4区の対応だ。2021年の前回衆院選で立民は、県内5選挙区のうち4選挙区に候補者を擁立した。ただ共産党との野党共闘で、いわき市と双葉郡で構成した旧福島5区では共産候補の支援に回り、独自候補の擁立を見送った。区割り変更後、初めて行われる次期衆院選でも福島1~3区は現職の擁立が決まる一方、浜通りが一つの選挙区となる4区は今も空白のままだ。ある県連幹部は「(前回衆院選で)旧5区に候補者を出せなかったのが響いている」と語る。

 県連が候補者擁立の一つのタイムリミットとみるのは、9月23日投開票で行われる党代表選だ。当初は擁立断念の観測も出たが、県連代表を務める小熊慎司議員(旧福島4区)は「4区には候補者を必ず出す。不戦敗はない」と自信を見せる。自民も福島4区の対応が課題となる中、先んじて候補者を決めることで支持拡大を図りたい考えで、宮下雅志県連幹事長は「衆院選までの準備期間を考えるとぎりぎりのタイミング。自民よりも先に候補者を決めたい」と話す。

 共産との関係

 ただ4区への擁立は、新人の熊谷智氏の擁立を決めている共産との関係悪化につながる可能性がある。共産の町田和史県委員長は野党共闘に秋波を送る一方、立民が4区に候補者を擁立した場合、他選挙区で対決姿勢へ転じる可能性も示唆する。それでも立民県連内では野党共闘に否定的な意見が根強く、県連関係者は「元々共産との協力には反対だった。共闘はない」と言い切る。

 21年の前回衆院選で立民は、公認候補を擁立した4選挙区のうち、3選挙区で自民候補に競り勝った。県連関係者は政治資金問題を受けて与党に吹く逆風も踏まえ「政権交代実現には(県内で)前回と同じ3勝は最低限の結果。(候補者擁立を模索する4区も含め)4選挙区で全勝を目指す」と強気だ。

 ただ、いずれの選挙区も区割り変更の影響は未知数。今後控える党代表選と自民党総裁選が状況を大きく変える可能性もあり、関係者に楽観論はない。2区への立候補を予定する玄葉光一郎議員(旧福島3区)は25日、須賀川市で区割り変更後初となる新2区総支部の会合を開いた。区割り変更で、新たな選挙区には大票田の郡山市が加わる。玄葉氏は支持者らを前にこう語り、表情を引き締めた。「衆院選では6割以上の有権者が新しくなる。次が正念場だ」


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