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美空ひばり像、京都→いわきへ移設 みだれ髪の歌碑と「共演」

10/04 09:20

雲雀乃苑に設置される美空ひばり像(ひばりプロダクション提供)
代表曲「みだれ髪」をレコーディングする美空ひばり(右)(ひばりプロダクション提供)

 「昭和の歌姫」美空ひばりの等身大の像が17日、いわき市の塩屋埼灯台に隣接する「雲雀乃苑(ひばりのその)」に設置される。代表曲「みだれ髪」の歌碑などが立つ聖地の一角に、30年以上の時を超えて”不死鳥”が舞い降りる。

 みだれ髪は、大病を患った後の復帰第1作として1987年、塩屋埼灯台と海を見つめる女性を重ねて作られた楽曲だ。翌年には市が所有する雲雀乃苑にみだれ髪の歌碑が建てられ、市との縁が深まった。88年10月には、美空ひばりが出席しての除幕式が計画されたが、急きょ欠席に。89年に死去したため、いわき市に足を運ぶことはかなわなかったが、没後もひばりプロダクションが中心となり、市との交流が続いている。

 設置される150センチほどの像は、元々は京都太秦(うずまさ)映画村内の京都太秦美空ひばり座にあった。今春に建物の老朽化で取り壊しが決まり、移設先に雲雀乃苑が選ばれた。

 「被災地で祈るかのような姿」

 ひばりプロダクション専務で、美空ひばりの長男加藤和也さんの妻有香さんは「胸の前で手を組んでいる様子が、東日本大震災の津波の犠牲者を悼むひばりさんに重なった」と語った。

 設置工事が3日、現地で行われた。17日まではシートで覆われており、その姿を拝むことはできない。工事に立ち会った有香さんは「まるでここに来ることが初めから決まっていたかのようだった」と感慨深げに話した。

 全国各地で自然災害が頻発し、発災から13年半が過ぎた震災と東京電力福島第1原発事故の記憶の風化が懸念されていることも、いわき市への移設を後押しした、と有香さんは明かす。「新たにこの像を管理してくれるこの地域で、過去にどのような災害が起きたのか。足を運んでくれたファンに学んでもらえれば、ひばりさんも本望だと思う」(折笠善昭)

 17日に除幕式

 像の移設除幕式は17日午前11時から、いわき市の雲雀乃苑で行われる。生前に親交があった歌手近藤真彦さん、テレビプロデューサーでいわき応援大使の石井ふく子さん、アナウンサー徳光和夫さん、美空ひばりの長男でひばりプロダクション社長の加藤和也さんがゲストとして出席する予定。ひばりプロダクションはファンツアーも企画し、当日は全国各地から85人が式に参加する。式には一般の参加も可能。

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