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やせ菌、肥満菌も…東北初の腸内フローラ検査キット開発

10/05 08:00

腸内フローラの状態を検査する「フローラデータ」

 環境分析研究所(福島市)は、理化学研究所認定の新興企業サイキンソー(東京都)と腸内細菌の検査キット「フローラデータ」を共同開発した。検査で腸管内に生存する多種多様な細菌群の生態系「腸内フローラ」の状態を知り、生活環境の改善に役立てることができる。環境分析研究所によると、腸内検査の共同開発は東北の企業で初めて。

 同研究所によると、人間の腸内には細菌が100兆個以上生存しており、約1~1.5キロの重さがある。その細菌の群れ「フローラ」を整えることで免疫力が高まるという。腸内細菌は多様性が重要とされ、そのバランスは食事や生活習慣によって変化する。

 検査は採便した検体を郵送し、専用サイトに登録するだけで数週間後に検査結果が郵送で届く。現在の腸内環境をA~Eの5段階で評価し、腸内細菌の多様性のほか、健康長寿菌、女性の美容に関わるエクオール産生菌などの割合を示す。肥満と関わりがあると考えられている「やせ菌」「肥満菌」がどのくらい内在するかも知ることができる。腸内フローラを整えるための食生活や運動の改善策も提示され、生活習慣の見直しに活用できる。

 環境分析研究所は臨床検査や理化学検査などの分析・検査サービスを提供しており、設立から50年の節目を迎える。最近では放射性物質の測定や新型コロナウイルスのPCR検査なども行う。菊池美保子社長は「腸内環境は努力次第で変えられるので、検査を通して県民の健康に対する意識向上に少しでも貢献したい」と期待した。

 フローラデータは商品化されており、1セット1万8千円。ウェブからの購入申し込みのほか、福島市を中心に展開するドラッグストア「ハシドラッグ」全店舗でも購入できる。

 問い合わせは同研究所(電話024・535・0183)へ。

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