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クマ出没、会津「警報」に引き上げ 11月末まで発令

10/05 08:15

クマの生息状況を説明する溝口さん

 県は4日、会津を対象に発令していたツキノワグマ出没注意報を最も警戒レベルの高い「警報」に引き上げた。昭和村で1日にクマ被害とみられる死亡事故が発生したことを踏まえた。発令期間は11月30日まで。

 県警が通報などで認知した1~9月のクマの目撃件数は前年同期比67件増の578件だった。統計を始めた2008年以降、年間最多だった23年の687件を上回るペースで推移している。

 若松で目撃相次ぐ

 会津若松市で4日、クマの目撃情報が相次いだ。会津若松署によると、クマの体長は約0.8~1メートル。目撃場所次の通り。(かっこ内は目撃時間と頭数)

 会津若松市湊町赤井字街道東丙の国道294号(午前7時半ごろ、1頭)▽会津若松市湊町静潟字鵜ノ浦の市道(午後4時半ごろ、1頭)

 県緊急会議で対策強化

 昭和村でクマに襲われたとみられる男性の死亡事故を受け、県は4日、会津若松市で緊急連絡会議を開き、キノコ採りなどで入山者が多い10月を重点期間とし、パトロールを強化する方針を示した。入山口や登山道にクマへの警戒を促す看板を設置し、道路沿いの電子看板でも注意喚起する。

 会議には会津の17市町村の職員や警察官らが出席。昭和村は、村内28カ所に看板を設置したと報告した。

 県野生動物調査専門官の溝口俊夫さんがクマの生息状況を説明。今年はツキノワグマの餌となるブナやミズナラの出来が平年並みから豊作で、山中にクマが集まっているという。

音で存在知らせて 男性はキノコ採りのため一人で山に入ったとみられる。溝口さんは入山時の注意点として〈1〉複数人で行動し、一人は周囲を監視する〈2〉鈴やラジオの音でクマに自分の存在を知らせる〈3〉クマと遭遇した際は、うつぶせになって顔を守る―などを挙げた。その上で「地元以外の住民が被害に遭うことが多い。役場や駐在所でクマの目撃情報を確認することが重要だ」と指摘した。

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