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風力発電所の事業用地、避難解除申請へ 葛尾・野行、住民も了承

07/29 08:30

 葛尾村は、東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域となっている野行(のゆき)地区を巡り、特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた場所にある風力発電所の事業用地の避難指示解除に向けた手続きに入る。住民が日常的な生活を営むことを想定しない拠点外の土地について、自治体の判断で避難指示の解除を可能にする「土地活用スキーム」を活用する。28日に村内で開いた地区住民を対象にした説明会で大筋の了承を得た。

 避難指示の解除を目指すのは、葛尾風力発電所の事業用地約4.5ヘクタールと、阿武隈風力第3、第4発電所の事業用地約13ヘクタールの計約17.5ヘクタールで、発電所施設や管理用道路などが含まれる。主に国有林地にあり、現在は事業目的の立ち入り許可で整備が行われている。

 村は避難指示の解除を通じて円滑な工事の進展を後押しし、村への経済波及効果を実現する考え。解除の時期については来年の春ごろを想定しており、村は風力発電事業者の環境整備の状況を確認しながら、政府への申請時期を判断する。

 復興拠点外の帰還困難区域について、土地活用スキームを使って避難指示を解除する取り組みは飯舘村に続き2例目となる。篠木弘葛尾村長は「住民からはご理解をいただいたと考えている。土地活用スキームを使う方針については、帰還困難区域を持つ他の自治体にも説明している」と語った。

 野行地区は葛尾村の北東部にあり、原発事故により帰還困難区域となった。集落や主要道路などの地区の一部は2022年6月、復興拠点として避難指示が解除されている。

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