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デブリ採取8月下旬にも 福島第1原発2号機、機器の検査は問題なし

08/01 12:05

 東京電力福島第1原発2号機からの溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出しを巡り、原子力規制委員会は31日、原発でデブリ取り出しに使う伸縮式パイプ型機器の使用前検査を実施した。東電によると、機器に問題は確認されなかったという。合格証の交付は約1カ月後になる見通しで、東電は早ければ今月下旬にも原発事故後初となるデブリの採取に着手する。

 取り出しに使用する機器は原発搬入前に1度、規制委の検査を受けており、2号機の原子炉格納容器内部につながる配管に接続した状態で最終的な検査が行われた。東電によると、検査では機器に破損がないかや、機器と配管が隙間なく正常に接続されているかなどについて確認を受けたという。

 東電は今後、放射性物質が飛散するのを防ぐビニールハウスの設置など、取り出しに向けた最終的な準備を進める方針。準備が順調に進めば、合格証が届く今月下旬にも試験的取り出しに着手できる見通しだ。

 試験的取り出しは廃炉の最難関とされるデブリ取り出しに向けた大きな一歩となる。格納容器の配管からパイプを差し込み、先端に取り付けた爪形の器具を垂らして3グラム以下のデブリをつまんで回収する。回収したデブリを分析することにより、格納容器内にあるデブリの状況の把握などが期待されている。

 試験的取り出しは当初、2021年に始まる予定だったが、機器の改良などに時間がかかり3度延期されていた。



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