• X
  • facebook
  • line

大堀彩、激闘8強「自分信じた」 パリ五輪、バド女子シングルス

08/03 07:15

準々決勝進出を決めた大堀彩=資料写真

 激闘を気力でものにした。2日行われたパリ五輪バドミントン女子シングルスの決勝トーナメント1回戦を制した大堀彩(27)=トナミ運輸、富岡高卒=は23―22で迎えた第3ゲーム、相手のスマッシュがコートを外れると背中から倒れ込んだ。「苦しかったの一言。勝ち切ることができて良かった」。立ち上がると会場を包む歓声に感情があふれ出て、何度もガッツポーズで応えた。

 第1ゲームを10点差で落としたが「このままでは終われない」とスタンドにいた父均さんを見て、気持ちを切り替えた。第2ゲームを奪い返し、迎えた最終第3ゲームは一進一退。マッチポイントの取り合いとなった終盤は「正直どっちに転ぶか分からなかった。もう運だと。自分を信じた」。強気に攻め、気迫で押し、相手のミスを誘い、最後に笑ったのは大堀だった。

 富岡高時代、試合会場に「富岡魂」と並んで掲げられてきた横断幕がある。「Mind Over Body」。富岡高伝統のスローガンで大堀の好きな言葉でもある「気力は体力を超える」という意味だ。この日の試合は1時間超えの大熱戦。体力が限界に近づく中で、体を投げ出して球を拾い、ラリーを返し、死力を尽くす大堀の姿は、まさに高校時代の教えを体現しているようだった。

 世界ランキングは10位。次は自分より上の4位の選手が相手だが「可能性は無限大だと思っている。やってみないと分からないと思うし、私ならできると思う」。自信と手応えは一層深まっている。


この記事をSNSで伝える:

  • X
  • facebook
  • line