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企業の疑問や課題、中高生が名回答 いわきでコープタッチ

08/25 09:50

中高生が企業の担当者と課題の解決策などを議論したコープタッチ

 18歳以下の若者が企業の抱える課題の解決策を考えるプログラム「Corp Touch(コープタッチ)」が24日、福島県いわき市のラトブ内いわき産業創造館で行われた。「将来求められる技術は何か」。参加した中高生は、県内事業者の担当者と意見を交わしながら若い感性でアイデアを提言した。

 コープタッチは教育事業を手がけるアンパックド(東京都)が開発した企業と中高生を結び付けたプログラムで、本県では初開催。福島民友新聞社とアンパックド、浜通りの広域連携団体「HAMADOORI13(浜通りサーティーン)」が共催し、5社が参加した。会場には企業ごとにテーブルが設けられ、班分けされた県内外の生徒約30人と議論を始めた。最初は会社の課題を説明する大人の発言が多かったが、時間が経過するにつれ「私たちの世代からすればこうなんですけど」などと生徒の発言が主流になった。

 各班は1時間程度の議論で解決策をまとめ発表した。エネルギー事業や技術開発などを展開するビーエイブル(大熊、広野両町)が出したテーマは「未来の携帯電話と発電技術はどうなっているか」。生徒が導き出した答えは、生活に不可欠なスマートフォンは体に埋め込まれており、人が動くエネルギーで充電されるという仕組み。動くことで家にこもらなくなり「スマホ依存」から「スマホ共存」に進むと提案した。企業の担当者は「想像を超えた答え。刺激を受けた」と舌を巻いた。

 撚糸(ねんし)製造・タオル販売の浅野撚糸双葉事業所(双葉町)は交流人口の拡大策を求めたところ、首都圏の中高生を対象にした山村留学のプランが提案された。ビルメンテナンスなどの八島総合サービス(南相馬市、富岡町)は若者が求める仕事や地域の在り方を聞いた。生徒からは県内企業が幅広い業務に取り組んでいる特徴を踏まえ、若手が複数の部署に在籍するなどして入社後もキャリアを高める働き方を訴えた。

 建設業などの丸東(富岡町、いわき市)は太陽光パネルのリサイクルで生じる素材の活用法について尋ねた。西山由美子社長は「いいアイデアをいただいた。外には言えません」と満足げだった。

 「いろいろな意見を持った人と対話できた貴重な経験だった」と話すのは、磐城桜が丘高2年の根本未彩(みあ)さん。「よりよい未来を考えるのをやめないようにしようと考えた」と先を見据えた。東京都から参加した郁文館グローバル高3年の篠崎芽生(めい)さんは「これまで福島に来たことはなかった。震災の被害は大きいと聞いていたが、復興の力は大きいと感じた」と述べた。

 浜通りサーティーンの吉田学代表は「世代間の結び付きもあったが、県内外の学生の協働もあった。今後の地域を担う世代が盛り上がっていけばいい」と、継続的な開催に期待感を示した。

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