おくのほそ道まわり道

古今東西、旅に対する人々の憧れは尽きない。先人は旅路の感慨を詩や散文に記し、その作品がさらに人々を旅へと誘う。そんな紀行文学の中でも、根強い人気を誇るのが江戸時代初期の俳人松尾芭蕉(1644~94年)の「おくのほそ道」だ。2019年は、芭蕉が本県を含む東北、北陸を巡った「おくのほそ道」の旅から330年。膨大な旅の情報があふれる現代にも、人々を引き付ける芭蕉の旅の魅力とは何だろう。福島民友新聞は、そんな問いへの答えを探しに、芭蕉の足跡をたどる旅に出る。

【福島城下】<早乙女に仕形望まんしのぶ摺>県都・福島に残した謎と足跡

10/28 14:45

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 「おくのほそ道」(以下「ほそ道」)をたどる旅は、いよいよ福島城下である。
 夜明けとともに郡山宿をたち、あまり寄り道もせず奥州街道を北上してきたこの日、1689(元禄2)…