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須賀川出身・白熊、新入幕 大相撲秋場所番付発表、東前頭16枚目

08/27 07:30

秋場所での新入幕が発表され、意気込みを語る白熊(右)と二所ノ関親方=茨城県阿見町・二所ノ関部屋
シロクマをイメージしたポーズをとる白熊

 日本相撲協会は26日、大相撲秋場所(9月8日初日・両国国技館)の番付を発表し、名古屋場所で初の十両優勝を果たした須賀川市出身の白熊(25)=本名高橋優太、二所ノ関部屋=が新入幕を果たした。番付は東前頭16枚目。本県出身の新入幕は2022年初場所の若元春(30)=本名大波港、学法福島高卒、荒汐部屋=以来、戦後9人目。須賀川市出身では初めて。

 白熊は茨城県阿見町の二所ノ関部屋で二所ノ関親方=元横綱稀勢の里=と記者会見し、幕内昇進について「目標は勝ち越し。自分の相撲がどれだけ通用するか分からないので挑戦者の気持ちで臨む」と闘志を燃やした。同部屋からは初場所の大の里に続く幕内昇進。

 白熊は身長186センチ、体重166キロ。22年に二所ノ関部屋に入門。同年夏場所で初土俵を踏み、23年秋場所で十両に昇進した。

 福島市出身で荒汐部屋に所属する「大波3兄弟」の若元春は西前頭3枚目、若隆景(29)=本名大波渥(あつし)、学法福島高、東洋大卒=は東前頭7枚目となった。本県出身の力士3人の同時入幕は初めて。

 白熊「地元に恩返しを」

 地元の声援が幕内昇進の原動力になった。秋場所で新入幕が決まった須賀川市出身の白熊(25)=本名高橋優太、二所ノ関部屋=は26日の記者会見で夢舞台での活躍を誓うとともに、「地元からの応援に助けられている。もっともっと上にいって大きな恩返しをしたい」と古里への思いを語った。

 中学入学で親元を離れ、新潟県の高校や日体大で腕を磨いた。二所ノ関部屋に入門してから2年での幕内昇進。師匠の二所ノ関親方=元横綱稀勢の里=の胸を借りた際には、「師匠を全然押すことができず、稽古をした気でいたことに気付かされた」と、大きな経験を得た。

 同じ二所ノ関部屋の大の里は高校、大学の後輩。活躍する姿に「追い付きたい」との気持ちから稽古量を増やし、着実に力を付けてきた。共に鍛錬を重ねる大の里について「後輩だけどすごい。活躍は刺激になる」とたたえた上で「いずれは優勝決定戦で戦いたい」と夢を語る。

 昨年末に改めた白熊というしこ名のかわいらしさと、柔和な表情から繰り出す力強い相撲で人気を集める。会見では、報道陣からのシロクマをイメージさせるポーズの要望に和やかに応じる一幕も。本県で今月行われた巡業に触れ「『白熊』『白熊』と多くの人が呼んでくれてうれしかった。声援が一番一番勝つためのきっかけでもあるし、負けた時も支えられている」と感謝を語った。

 祖父「秋場所楽しみ」

 白熊の祖父の高橋祥武(よしたけ)さん(76)は番付発表に合わせて、「これからが正念場。稽古に励んで一つ一つ上がって」とのメールを送信。「秋場所を楽しみにしている」と活躍を願った。

 31日には、須賀川市で名古屋場所での十両優勝と新入幕を祝う祝賀会が開かれ、地元後援会が同市伝統の火祭り「松明あかし」をモチーフに制作を進めている化粧まわしを贈呈する。同後援会の菊地大介会長(51)は「幕内力士との対戦になり大変かと思うが、けが無く、先場所のような取り組みを見せてほしい」と期待を寄せた。

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